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山田 正行; 山西 敏彦; 洲 亘; 鈴木 卓美; 中村 博文; 河村 繕範; 岩井 保則; 小林 和容; 磯部 兼嗣; 西 正孝
Fusion Science and Technology, 41(3), p.593 - 597, 2002/05
日本原子力研究所のTPL(トリチウムプロセス研究棟)は、日本において、核融合研究に1g以上のトリチウムを取り扱うことのできる唯一の施設である。TPLの建屋は1984年に、安全設備は1985年に完成し、その許認可,トリチウムの搬入を経て、1988年よりトリチウムを用いた運転を開始した。現在(2001年4月)のトリチウム貯蔵許可量は22.2PBq(63g)である。TPLの安全はトリチウムの多重閉じ込めによって確保されており、閉じ込め空間に漏洩したトリチウムを除くために、触媒酸化塔と水分吸着塔からなる除去装置が備えられている。最近10年間のTPLにおける運転実績として、スタックから放出されたトリチウム平均濃度は2.310Bq/cmである。この値は、法令上定められている空気中のトリチウム水蒸気許認可濃度の1/200以下であり、トリチウム安全取り扱い実績を積み上げている。
小西 啓之; 井上 雅彦*; 林 巧; 大平 茂; 渡辺 哲郎*; 奥野 健二; 成瀬 雄二; Barnes, J. W.*; Bartlit, J. R.*; Anderson, J. L.*
Fusion Engineering and Design, 18, p.33 - 37, 1991/00
被引用回数:4 パーセンタイル:47.81(Nuclear Science & Technology)TSTA用燃料ガス精製システム(J-FCU)は、原研がこれまでに試作開発したトリチウム用コンポーネント(パラジウム合金膜拡散器、触媒酸化反応器、コールドトラップ、固体電解質電解セル、ZrCoベッド等)を中心として構成するプラズマ排ガス処理装置であり、1990年3月に据付けを終了した。本報告は、装置の完成からホット試験開始までの間に実施したH/D/不純物系のコールド試験の結果に関するものである。本試験により、トリチウム実証試験に着手できるという結論を得た。
吉田 浩; 小西 哲之; 成瀬 雄二
JAERI-M 9747, 36 Pages, 1981/10
D-T核融合炉の燃料循環系を対象としたパラジウム拡散器およびこれを用いた燃料精製システム(Fuel Cleanup System)に関する予備的な設計を行なった。パラジウム合金膜の適用性は、筆者らの既往研究に基づいて検討した。パラジウム拡散器の操作条件は実験により決定し、その形状、大きさはコンピューター解析結果にに基づいて設定した。精製システムの設計は、Los Alamos Scientific Laboratory)のTSTA(Tritium Systems Test Assembly)における供給ガス条件に従った。本システムの必要機器は、パラジウム拡散器、触媒酸化反応器、低温トラップ、亜鉛ベッド、真空ポンプなどであり、システムの単純さや操作条件において幾つかの利点が挙げられる。この設計は、容易に他のD-T炉燃料排ガス条件に拡張することができる。
吉田 浩; 清水 徳; 沼田 和義; 奥野 健二; 成瀬 雄二
日本原子力学会誌, 23(12), p.923 - 929, 1981/00
被引用回数:3 パーセンタイル:45.64(Nuclear Science & Technology)触媒酸化反応器および乾燥器を主要構成機器とするトリチウム除去システムの特性を把握するために、水素、メタンを用いてシステム模擬実験を行った。実験に使用したEngelhard社製の貴金属アルミナ系触媒の水分吸着量は、モレキュラーシーブ5Aの平衡吸着量の10%以上に達した。重水素の転換率は,空間速度1800~5100hr触媒層温度23C~100Cのとき99.99%以上であり、ガス流量、水素濃度、触媒層温度および吸着水の影響は認められなかった。メタンの転換率は、空間速度2000hr、触媒層温度350C~500Cにおいて99%以上であった。モレキュラーシーブ5Aを充填した乾燥器の水分除去率は、99.9998%に達した。除去システムの循環運転による重水素、メタンの除去速度は、高濃度域では転換率および換気回数をパラメータとする指数関数で推定できた。しかし、低濃度域では器壁からの吸脱着の影響が無視できなくなる。
木下 正弘; 松田 祐二; 成瀬 雄二
JAERI-M 8612, 30 Pages, 1979/12
トリチウム除去システムの重要な1ユニットである固定層触媒酸化反応器について、すでに報告されている実験データとの比較を含めた設計モデルの検討、ケーススタディなどを行い、設計に対する1つの考え方を示した。また、器壁からのトリチウム透過量を評価し、処理ガス中にトリチウムで汚染されたポンプ油の蒸気が存在するために約600Cで操作される反応器に対しては、安全対策が不可欠であることを示した。さらに、トリチウム除去システムにおける固定層触媒酸化反応器の設計に関するいくつかの問題点を指摘し、今後必要な研究開発項目を確認した。
小林 義威; 斉藤 昭
Journal of Inorganic and Nuclear Chemistry, 41(12), p.1595 - 1599, 1979/00
酸溶液中のU(III)の酸化反応について、不活性雰囲気で分光光度法を用いて研究した。U(III)の溶液の調整法は3種類ほどあるが、UOをZnHgで還元する方法で得られるU(III)は、UOを電解還元およびU-Hgを酸溶液に溶解する方法で作ったU(III)より不安定で容易にU(IV)に酸化される。この現象をさらに検討した結果、Zn中に含まれる微量のCuやPbが、U(III)のU(IV)への酸化反応に対し触媒的に作用することを発見した。ンの触媒反応は、U(III)により還元され生成した金属-例えば金属Cu-の表面における触媒反応として説明される。このような結果をふまえ、酸溶液中のU(III)の自動酸化の現象についても考察した。
枝尾 祐希; 岩井 保則; 佐藤 克美; 林 巧
no journal, ,
ITERトリチウム除去設備は火災等の異常時においても確実なトリチウム除去性能の維持が求められる。トリチウム酸化触媒塔の設計において、施設内火災時にケーブル被覆材等が燃焼することで発生する炭化水素が漏洩トリチウムと反応し、トリチウム化炭化水素が生成することで、トリチウム酸化反応が阻害され全体のトリチウム除去性能が低下することが懸念される。そこで、ITERでの使用が予定されている低ハロゲンケーブルが燃焼した際に発生するメタン・エチレン・プロピレンガスを混合した火災模擬ガスを用い、トリチウム化炭化水素の生成率とトリチウム除去性能に与える影響を精査した。50350Cの触媒温度範囲においては難燃性のトリチウム化メタンの生成は極めて小さいこと、また、150C以下ではトリチウム化エチレンの生成率が突出して高いことを明らかにし、炭化水素の種類によってトリチウム化炭化水素の生成率が大きく異なることを見出した。異常時用トリチウム除去系のトリチウム酸化触媒塔の設計においては、ワンススルーの運転を想定した場合、トリチウム化メタンの生成率が小さいためトリチウム化メタン分解用の高温触媒塔を必要としないこと、他のトリチウム化炭化水素は200Cの低温触媒塔で完全燃焼するためトリチウム除去性能へ与える影響は小さいことを明らかにした。